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2019.03.30

公的医療保険制度(CKV)

一定所得以下の国民は公的医療保険への加入が強制適応となる。
また、その扶養家族(収入のない配偶者、子供)は保険料なしで家族加入者となれる。公的医療保険制度は、日本の健保組合に相当する「疾病金庫(Krankenkasse)が運営しており、その財源は原則保険料のみで賄われ、各々の疾病金庫の独立採算制である。

国民は数ある疾病金庫の中から自由に加入先を選択することが出来る。
そのため、疾病金庫間での競争が進んでおり、多様な給付サービスが提供されている。しかし、近年の厳しい医療財政状況をして、最多時で1200団体以上もあった疾病金庫は急激に減少しており、2016年には117団体になっている。

保険料の負担は労使折半で、所得に疾病金庫が定める保険料率を乗じて算出される。
かつては保険料率は疾病金庫ごとに定められていたが、2009年1月より公的医療保険の財政が医療基金の創設によって統一されたことに伴い、保険料率も一般保険料率15.5%(労使折半)、特別保険料0.9%(労働者のみ負担)に統一された。
さらに2014年6月には、保険料の見直しが行われ、一般保険料率が14.6%(労使折半)に引き下げられ、特別保険料は撤廃された。
そのうえで疾病金庫の自立性を強化するため、各々の疾病金庫で追加保険料
(労働者のみが負担、平均1.1%(2016年)を設定し徴収することが可能とされた。

運営主体 疾病金庫117金庫(2016年8月現在)
被保険者資格者

月収4,687.50€以下(2016年)を超えていない被用者、自営農林業者等(全国民の約87%、約7,112万人
※月収4,687.50€以下(2016年)以上の被用者、自営業者、公務員等は強制適応ではない。

給付の種類 医療給付、予防給付、医学的リハビリテーション給付、在宅看護給付等
原則、現物給付(他に現金給付として傷病手当金がある)

 

本人負担割合等

外来:自己負担なし(2013年より自己負担が撤廃)
入院:1日につき28€(但し、年間28日分が限度)
薬剤費:製品価格の10%(最低5€、最高10€)
・非処方せん薬(償還リスト以外)は保険給付対象外
・低所得、18歳以下は自己負担免除
・自己負担限度額:年収の2%まで、慢性疾患をもつ患者は年収の1%迄

保険料

一般保険料率:14.6%(本人7.3%、事業主7.3%の労使折半、自営業者全額自己負担。)
追加的保険料率(被保険者の単独負担):平均1.1%(2016年)

政府負担 保険給付になじまない給付(被扶養者に対する給付等)に充当するという目的及び昨今の金融経済危機において保険料率の軽減を行った分の穴埋めとして一定規模の国庫補助を実施(2015年は115億€)

参考文献:「海外の薬事制度にまなぶ・時代に寄り添う薬剤師の未来に向けて」
  ~ドイツ~岩崎英毅・城戸真由美

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