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2019.12.20

薬価制度

 医薬品にかかる価格形成の基礎となるのは、製薬企業が卸に販売する際の引き渡し価格である。
薬局での販売価格は、この価格に卸および薬局の取引マージンならびに付加価値税を加算したものである。
製薬企業は医薬品の引き渡し価格を自由に設定することができる。 つまり、引き渡し価格は公定されているわけでも、公的に統制されているわけでもない。
ただし、製薬企業は同じ要処方せん医薬品を、いずれの卸に対しても同一の価格で販売しなければならない。

このような統一的な引き渡し価格にAMPreisV(医薬品価格令)に定められた卸と薬局の取引マージンが上乗せされる。
卸の取りきマージンは製薬企業からの引き渡し価格の3.15%に1パッケージ当たり0.7€を加算した額、 薬局の取引マージンは仕入れ価格の3%に1パッケージ当たり8.35€を加算した額と定められている。
なお、社会法典(SGBV)の規定により、薬局は保険者への薬剤費請求の際に
「薬局販売価格」=〔卸からの購入価格×1.03(3%の手数料)+8.35€(薬局の取引マージン)〕×1.19(付加価値税)
上記のマージンから1医薬品当たり1.77€(参照:GERMAN PHAMACIES FIGURES DATE FACT 2016,ABDA) を割り引くことが義務付けられている。
この値引きの総額は、2015年で約11億€となっている。

OTC医薬品は、2004年より、原則、公的医療保険にてカバーされなくなったのを契機に自由価格制となり、 薬局独自に価格を決定できるようになった。
当初は定価のままで販売する薬局が多く、OTC医薬品の薬局間の価格差は無かった。しかし、最近国外のフランチャイズチェーン薬局や通販の台頭によって、既存のドイツ薬局では客離れが深刻化しており、OTC医薬品の値引きの導入に乗り出し始めている。

ジェネリック医薬品普及促進に薬局・薬剤師が大きな役割

ドイツでは、被保険者の求めがあればジェネリック医薬品を提供する義務が薬局に課せられている。
これは2002年にアウト・イーデムルールという名称で導入された(医薬品制限法)。アウト・イーデムルールは、同党の薬効成分を有する相対的に安価な医薬品がある場合、医師が処方した医薬品とは異なる医薬品を薬剤師が患者に交付するというルールであり、どのような医薬品が当該患者にふさわしいかを薬剤師が判断する点が特徴である。
(ただし、医師の変更拒否が処方箋上に示されている場合は、変更できない)


参考文献:「海外の薬事制度にまなぶ・時代に寄り添う薬剤師の未来に向けて」  ~ドイツ~岩崎英毅・城戸真由美

 

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