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2021.03.31

薬局従事者

薬局内で仕事を行うスタッフは、薬剤師のほかにPTA(Pharmazeutisch-Technische Assistanten)やPKT(Pharmazeutisch-Kaufmannische Angestellte)、そして薬局が受け入れている実習生がいる。PTAはほとんど薬剤師と同じ仕事を行うが、麻薬処方箋の取り扱いや品質試験の署名、夜間勤務などの責任を伴う仕事はできない。PKAは薬学的な仕事はできず、医薬品の発注などの事務作業を行っている。薬局で働くスタッフの給与は組合で決められており、実習生にも給与が支払われる。

薬局で販売できるもの(医薬品以外）

調剤専門薬局は無く、薬局は処方薬以外にも、OTC医薬品、化粧品、医療用具、衛生用品など、多くの製品を扱っている。しかし、なんでも販売してもよいというわけではなく、薬局で販売できるものが薬局営業規則で決められている。

軽い症状であれば、国民の7割はまず薬局に行く（ABDA薬局統計、2011年調べ）
ドイツでは3種類以上の定期薬を服用している患者の88％がかかりつけ薬局を持っており（ABDA薬局統計、2016年調べ）、法定的な締め付けはないものの、かかりつけ薬局・薬剤師制度が国民に定着している。

ドイツの薬局・薬剤師は国民への「速やかな医薬品供給」と「医薬品の有効性、安全性、品質の維持」を業務の2本柱とし、国民の健康を守る職務がある。

薬局で販売できるもの（薬局営業規則25条）

・包帯
・疾病ケア、ベビーケア用品
・医療用具、歯科医療用具、動物用医療用具
・衛生用品、ボディケア用品
・ダイエット食品、ダイエット規則にあげられた食品
・果実ネクター、果実ジュース、野菜ジュース、香辛料、はちみつ、咳止め飴、飲料水、湧き水、炭酸水、スポーツ選手のための特別栄養食品、栄養補助食品、茶、茶類似品
・試薬、化学物質、実験用品
・害虫駆除薬及び植物保護剤、動物飼料
・禁煙補助薬
・本、雑誌やその他の情報誌
(医薬品や製品に関する情報提供に関するもので、購入者に助言や支援を与える目的のもの）

ドイツの薬局の社会的機能

〇薬局に関する法律第1条1項
　薬局は、公共の利益において、国民のために秩序正しく医薬品を提供することを義務付けられるものとする。
〇薬剤師法第1条
　薬剤師は、住民に秩序正しく医薬品を供給することを職業として、それによって個人及び国民に健康を提供し奉仕するものである。
〇ドイツ連邦薬剤師令第1条
　薬剤師は国民に医薬品を整然と供給することを旨とすることを職業とし、それによって個々人と全国民の健康に寄与するものとする。

参考文献：「海外の薬事制度にまなぶ・時代に寄り添う薬剤師の未来に向けて」　　～ドイツ～岩崎英毅・城戸真由美

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